○安芸市職員倫理規程

令和2年10月1日

訓令第6号

(目的)

第1条 この訓令は、職員の職務に係る倫理の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職務の執行の公正さに対する市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保することを目的とする。

(定義等)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する職員をいう。

(2) 任命権者 法第6条第1項に規定する任命権者(同条第2項の規定により権限を委任された者を含む。)をいう。

(3) 事業者等 法人その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のための行為を行う個人に限る。)をいう。

(4) 利害関係者 職員が職務として携わる次に掲げる事務の区分に応じ、それぞれ定める者(職員を除く。)をいう。ただし、職員の職務との利害関係が潜在的なものにとどまる者又は職員の裁量の余地が少ない職務に関する者を除く。

 許認可等(行政手続法(平成5年法律第88号)第2条第3号に規定する許認可等及び安芸市行政手続条例(平成9年条例第1号。以下この項において「行政手続条例」という。)第2条第4号に規定する許認可等をいう。)をする事務 当該許認可等を受けて事業を行っている事業者等、当該許認可等の申請をしている事業者等又は個人(次項の規定により事業者等とみなされる者を除く。以下この項において「特定個人」という。)及び当該許認可等の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

 補助金等(補助金等の交付に関する規則(昭和30年規則第11号)に規定する補助金及び負担金並びに利子補給金その他相当の反対給付を受けない給付金をいう。以下この号において同じ。)を交付する事務 当該補助金等(市以外の者が相当の反対給付を受けないで交付する給付金で、当該補助金等を直接にその財源の全部又は一部とし、かつ、当該補助金等の交付の目的に従って交付するものを含む。)の交付を受けて当該交付の対象となる事務又は事業を行っている事業者等又は特定個人、当該補助金等の交付の申請をしている事業者等又は特定個人及び当該補助金等の交付の申請をしようとしていることが明らかである事業者等又は特定個人

 立入検査又は監査(法令(行政手続条例第2条第2号に規定する法令をいう。)の規定に基づき行われるものに限る。以下この号において「検査等」という。)をする事務 当該検査等を受ける事業者等又は特定個人

 不利益処分(行政手続法第2条第4号に規定する不利益処分及び行政手続条例第2条第5号に規定する不利益処分をいう。)をする事務 当該不利益処分をしようとする場合における当該不利益処分の名あて人となるべき事業者等又は特定個人

 行政指導(行政手続法第2条第6号に規定する行政指導及び行政手続条例第2条第6号に規定する行政指導をいう。)をする事務 当該行政指導により現に一定の作為又は不作為を求められている事業者等又は特定個人

 執行機関(地方自治法(昭和22年法律第67号)第138条の2に規定する執行機関をいう。)が所掌する事務のうち事業の改善及び調整に関する事務(からまでに掲げる事務を除く。) 当該事業を行っている事業者等

 地方自治法第234条第1項に規定する契約に関する事務 当該契約を締結している事業者等、当該契約の申込みをしている事業者等及び当該契約の申込みをしようとしていることが明らかである事業者等

2 この訓令において、事業者等又は利害関係者の利益のための行為を行う役員、従業員、代理人その他の者は、それぞれ前項の事業者等又は利害関係者とみなす。

3 職員に異動があった場合において、当該異動前の職に係る当該職員の利害関係者であった者が、異動後引き続き当該職に係る他の職員の利害関係者であるときは、当該利害関係者であった者は、当該異動の日から起算して3年間(当該期間内に、当該利害関係者であった者が当該職に係る他の職員の利害関係者でなくなったときは、その日までの間)は、当該異動があった職員の利害関係者であるものとみなす。

4 他の職員の利害関係者が、職員をしてその職に基づく影響力を当該他の職員に行使させることにより自己の利益を図るためその職員と接触していることが明らかな場合においては、当該他の職員の利害関係者は、その職員の利害関係者でもあるものとみなす。

(職員が遵守すべき職務に係る倫理原則)

第3条 職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。

2 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務又は地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。

3 職員は、法令等を遵守するとともに、法令等により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの金銭、物品その他の財産上の利益の供与若しくは供応接待を受けること等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。

4 職員は、不当要求行為等(安芸市不当要求行為等防止要綱(平成17年要綱第15号)第2条に規定する不当要求行為等をいう。)には一切応じることなくこれを拒否し、公正な職務の遂行に当たらなければならない。

5 職員は、市の保有する個人情報をはじめとする行政情報の適正な取扱いに努めなければならない。

(倫理行動規準)

第4条 職員は、前条に規定する倫理原則とともに次に掲げる事項をその職務に係る倫理の保持を図るために遵守すべき規準として、行動しなければならない。

(1) 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならない。

(2) 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならない。

(3) 職員は、市政が市民から納付された税その他の貴重な財源で運営されていることに留意し、公金の支出に関する諸規定を遵守するとともに、適正かつ効率的に事務を執行しなければならない。

(禁止行為)

第5条 職員は、次に掲げる行為を行ってはならない。

(1) 利害関係者から金銭、物品又は不動産の贈与を受けること。

(2) 利害関係者から金銭の貸付け(業として行われる金銭の貸付けにあっては、無利子のもの又は利子の利率が著しく低いものに限る。)を受けること。

(3) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で物品又は不動産の貸付けを受けること。

(4) 利害関係者から又は利害関係者の負担により、無償で役務の提供を受けること。

(5) 利害関係者から未公開株式(金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第2条第16項に規定する金融商品取引所に上場されておらず、かつ、同法第67条の11第1項の店頭売買有価証券登録原簿に登録されていない株式をいう。)を譲り受けること。

(6) 利害関係者から供応接待を受けること。

(7) 利害関係者と共に飲食をすること。

(8) 利害関係者と共に遊技又はゴルフをすること。

(9) 利害関係者と共に旅行(公務のための旅行を除く。)をすること。

(10) 利害関係者から私的利益のために有利な情報の提供を受けること。

(11) 利害関係者を保証人とする金銭の借入れ、不動産の賃借等を行うこと。

2 前項の規定にかかわらず、職員は、次に掲げる行為を行うことができる。

(1) 利害関係者から次に掲げるものの贈与を受けること。

 職員自らが主催若しくはこれに準ずる冠婚葬祭その他の社会慣習上行われる慶事又は弔事において受領する通常一般の社交の範囲内の祝儀、香典又は供花

 広く一般に配布するための宣伝用物品又は記念品

 多数の者が出席する式典、総会その他の催し物(これに引き続き行われる懇談会を含む。)において贈呈される記念品

(2) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される物品を使用すること。

(3) 職務として利害関係者を訪問した際に、当該利害関係者から提供される自動車(当該利害関係者がその業務等において日常的に利用しているものに限る。)を利用すること。ただし、当該利害関係者の事務所等の周囲の交通事情その他の事情から当該自動車の利用が相当と認められる場合に限る。

(4) 職務として出席した会議その他の会合において、利害関係者から茶菓の提供を受けること。

(5) 職務として出席した会議において、利害関係者から簡素な飲食物の提供を受け、又は利害関係者と共に簡素な飲食をすること。

(6) 多数の者が出席する式典、総会その他の催し物(これに引き続き行われる懇談会を含む。)において、利害関係者から飲食物の提供を受け、又は利害関係者と共に飲食をすること。

3 第1項の規定の適用については、職員が、利害関係者から、物品若しくは不動産を購入した場合、物品若しくは不動産の貸付けを受けた場合又は役務の提供を受けた場合において、それらの対価がそれらの行為が行われた時における時価よりも著しく低いときは、当該職員は、当該利害関係者から、当該対価と当該時価との差額に相当する額の金銭の贈与を受けたものとみなす。

(禁止行為の例外)

第6条 職員は、私的な関係(職員としての身分にかかわらない関係をいう。以下この項において同じ。)がある者であって、利害関係者に該当するものとの間においては、職務上の利害関係の状況、私的な関係の経緯及び現在の状況並びにその行おうとする行為の態様等にかんがみ、公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないと認められる場合に限り、前条第1項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる行為を行うことができる。

2 職員は、ボランティア活動をはじめとする市民が参加する自由な社会貢献活動及び自治活動を行うに際して、それらの活動に参加している利害関係者との間においては、公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないと認められる場合に限り、前条第1項の規定にかかわらず、同項各号に掲げる行為を行うことができる。

(利害関係者以外の者等との間における禁止行為)

第7条 職員は、利害関係者に該当しない事業者等であっても、その者から供応接待を繰り返し受ける等通常一般の社交の程度を超えて供応接待又は財産上の利益の供与を受けてはならない。

2 職員は、自己が行った物品若しくは不動産の購入若しくは借受け又は役務の受領の対価を、その者が利害関係者であるかどうかにかかわらず、事業者等にその者の負担として支払わせてはならない。

(講演等に関する規制)

第8条 職員は、利害関係者からの依頼に応じて報酬を受けて、講演、討論、講習若しくは研修における指導若しくは知識の教授、著述、監修、編さん又はラジオ放送若しくはテレビジョン放送の放送番組への出演(法第38条第1項の許可を得てするものを除く。以下「講演等」という。)をしようとする場合は、あらかじめ倫理監督員の承認を得なければならない。

(贈与等の報告)

第9条 職員は、事業者等から、金銭、物品その他の財産上の利益の供与若しくは供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたとき、又は事業者等と職員の職務との関係に基づいて提供する人的役務に対する報酬として次に掲げる報酬の支払いを受けたとき(当該贈与等により受けた利益又は当該支払を受けた報酬の価額が1件につき5,000円を超える場合に限る。)は、贈与等報告書(別記様式)を任命権者に提出しなければならない。

(1) 利害関係者に該当する事業者等から支払を受けた講演等の報酬

(2) 利害関係者に該当しない事業者等から支払を受けた講演等の報酬のうち、職員の現在又は過去の職務に関係する事項に関する講演等の報酬

(倫理委員会の設置)

第10条 市における公務員倫理の確立及び服務規律の徹底を図り、公正な職務の遂行を確保するため、安芸市職員倫理委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、副市長、教育長、総務課長及び企画調整課長をもって構成する。

3 委員長は、副市長をもって充て、副委員長は、総務課長をもって充てる。

4 委員長は、会務を総理する。

5 委員長に事故あるとき、又は欠けたときは、副委員長がその職務を代理する。

6 委員会の庶務は、総務課が行う。

(調査)

第11条 任命権者は、職員にこの訓令に違反する行為を行った疑いがあるときは、委員会に通知し、当該行為に関し調査を行わせるものとする。

2 前項の調査について報告を受けたときは、任命権者(市長である任命権者を除く。)は、その結果を市長に報告するものとする。

(違反行為に対する措置)

第12条 任命権者は、前条第1項に規定する調査の結果、職員にこの訓令に違反する行為があったと認められる場合においては、その調査結果に応じて、法第29条第1項の規定に基づく人事管理上の懲戒処分又は訓告その他必要な措置を講ずるものとする。

(倫理監督員の設置)

第13条 市長は、職員の倫理の保持を図るため、倫理監督員を置く。

2 倫理監督員は、副市長をもって充てる。

(倫理監督員への相談)

第14条 職員は、自らが行う行為の相手方が利害関係者に該当するかどうかを判断することができない場合、利害関係者との間で行う行為が第5条第1項各号に掲げる行為に該当するかどうかを判断することができない場合又は第6条第1項及び第2項に規定する公正な職務の執行に対する市民の疑惑や不信を招くおそれがないかどうかを判断することができない場合においては、総務課長を経て倫理監督員に相談し、その指示に従うものとする。

(倫理監督員の責務)

第15条 倫理監督員は、この訓令に定める事項の実施に関し、次に掲げる責務を有する。

(1) 職員からの前条の相談に応じ、必要な指導及び助言を行うこと。

(2) 職員が特定の者と市民の疑惑や不信を招くような関係を持つことがないかどうかの確認に努め、その結果に基づき、職員の職務に係る倫理の保持に関し、必要な指導及び助言を行うこと。

(3) 任命権者を助け、職員の職務に係る倫理の保持のための体制の整備を行うこと。

(4) この訓令に違反する行為があった場合に、その旨を任命権者に報告すること。

(任命権者の責務)

第16条 任命権者は、職員の職務に係る行為が市民の疑惑や不信を招くことがないよう、常に注意を喚起するとともに、研修その他の必要な措置を講ずるものとする。

(その他)

第17条 この訓令の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この訓令は、令和2年10月1日から施行する。

(令和4年3月31日訓令第3号)

この訓令は、令和4年4月1日から施行する。

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安芸市職員倫理規程

令和2年10月1日 訓令第6号

(令和4年4月1日施行)