議会会議録

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人名など会議録冊子と一部異なる場合がありますので、御了承ください。
ここに掲載してある会議録は、正式な会議録とは若干異なります。

一般質問 川島憲彦

質疑、質問者:川島憲彦議員
応答、答弁者:生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長、学校教育課参事兼学校給食センター所長、市長、福祉事務所長、農林課兼農業委員会事務局長、商工観光水産課長

議事の経過
 開議  午前10時
○尾原進一議長  おはようございます。これより本日の会議を開きます。
 日程に入る前に事務局長が諸般の報告をいたします。
 事務局長。
○佐藤暢晃事務局長  本日の出席状況を報告いたします。
 定数14人、欠員1人、欠席1人、出席12人であります。欠席の千光士伊勢男議員は所用のため欠席の届出があっております。
 以上で諸般の報告を終わります。
○尾原進一議長  これより日程に入ります。
 日程第1、一般質問を行います。通告に基づき順次質問を許します。
 10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) おはようございます。通告に基づきまして、一般質問を行います。
 まず初めに、埋蔵文化財発掘調査について質問をいたします。
 まず、新たな調査における出土状況について伺いますが、昨年の9月議会時点においては、瓜尻遺跡で奈良時代から平安時代と推測される大規模な寺院である可能性が高い遺跡が出土しました。現地を視察した日本考古学の専門家は、金堂や講堂、塔を備えた格式が高い寺院と見られ、画期的な発見などと述べるとともに、安芸市の行政当局の歴史的価値による認識も県東部地域の古代史を考える上で重要な発見とされていました。そして、新たな調査の進行の中で、瓜尻遺跡において、同じ場所から複数の時代と思われる重複した遺跡が出土しており、新聞報道もされています。報道では、官衙の中心と見られる堀と柵で囲まれた約20メートル幅の方形建物区画や西隣の寺院との区画溝を検出しています。安芸川につながると見られる大規模な水路や倉庫と推定される建造物群も見つかり、全国の官衙遺跡に詳しい島根大学・大橋泰夫教授は、豪族が建てた寺院に隣接して官衙が見つかった点が重要。安芸郡の古代史を考えるきっかけになる遺跡としていると報道されました。また、その後、瓜尻遺跡では直径4メートルの井戸らしき穴も見つかり発掘作業が続けられているとのことで、もしこれが井戸であれば、全国一の大きさとなると見られるとのことであります。
 そこで伺いますが、新たな遺跡調査における出土状況はどのような内容のものなのか伺います。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  12月議会以降では、新聞でも報道がありましたが、古代官衙の支所ではないかと紹介されていた方形区画遺構や、その南側に広がる掘立柱建物群、さらに方形区画遺構に近接する流路と入り江状と思われる遺構などを主に調査しておりますが、今回の調査地には建物跡などの遺構数が多い割に土器片などの遺物が少なく、有識者も遺構の性格づけをするのに苦慮している状況です。また、方形区画遺構の内側には、先ほど議員も言われましたが、大型の井戸の形状をした遺構も確認されております。現時点では、この井戸の遺構から、古代の瓦のほか、円面硯という古代の役人が使う硯の断片や丁字型の瓦質の遺物などが出土していますが、井戸状遺構の用途や、また方形区画遺構の性格を決定づけるものはまだ確認されておりません。調査の途中の段階であり明確なことは言えませんが、方形区画遺構に関しては、遺物が非常に少ないことから、豪族の居宅のような日常的な生活空間というよりは、祭祀などを行う神聖な施設、あるいは古代役所の関連施設ではないかという見方もありますので、それらを念頭に置きながら調査を進めている状況でございます。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 新たな遺跡が出土したということですが、遺物が比較的少ないということで、生活するような日常の生活の場ではなかったんではないかという見方もされておるという答弁でした。
 続いて質問します。瓜尻遺跡について、島根大学・大橋泰夫教授は、郡衙にしては規模も小さく、郡内に複数設置された郡衙の支所、館の可能性があり、寺院に隣接して官衙が見つかった点に価値があり、今後、周辺調査を進めれば、将来的に一体で国史跡の指定も目指せる遺跡だと評価をしているとのことであります。
 また、高知県の歴史の著作がある東洋大学の森公章教授・古代史は、遺跡周辺に一宮古墳や一宮神社が存在する立地に注目、古墳時代の豪族の拠点だった地域に寺院を建てる経済力を持つ豪族は郡衙の要職を占めたはずで、収税や物資運搬も担ったのだろうと述べております。瓜尻遺跡に対して専門家は以上のように述べていますが、出土した遺跡の価値についての専門家の認識をどのように捉えているのか、まず伺います。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  先ほど御答弁いたしましたように、調査の途中の段階であり、まだ専門家の先生方も明確なことは言えないというような状況でございます。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) まだ明確なことは言えないという答弁でしたが、ということは、これからさらに遺跡調査を行わなければ判明がつかないということではないかと思います。
 次に、調査期限延長の理由と今後の調査の方向性についての質問に移ります。
 これまでの調査期間はこの3月で終了の予定でありましたが、4か月調査期間の延長を行い、新たな調査予算案が議会に提出をされています。この期限延長の理由と今後の遺跡調査の方向性をどのように考えているのか伺います。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  まず、調査期限延長ということでございましたが、瓜尻遺跡の調査地におきまして、先ほどの方形区画遺構、それから流路などが確認されまして、当初の設計で想定していた遺構密度15%を大きく上回る約40%の密度で遺構が特定されましたので、人力掘削などの作業量の増大及び図面等の記録作成に係る作業量の増加が調査期限延長の理由でございます。
 今後の調査の進め方ですが、方形区画遺構をはじめ、流路や入り江状の遺構は面積も広い上、構築年代の異なる部分が併存しているため、慎重な作業が必要であると考えております。また、今後の調査で特に重点を置くべき箇所は、方形区画遺構と流路、入り江状遺構であると考えており、有識者の指導・助言を受けながら調査を進めていきたいと考えております。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 予想を超す40%の遺跡密度の多さにより発掘作業量が多くなったことが期限延長の主な理由という答えでした。しかし、単に遺跡密度だけではなく、これまで発掘された遺跡の内容に対する専門家の価値の高い評価が示されているとおり、今後の調査によって、歴史的価値の高い内容の発掘によっては、今後の遺跡の保存の在り方を含め考えてゆかなければならないと思います。先ほどの答弁の中にもありましたように、複数の建物跡とか水路等を含めてですね、いろんなことで検証を深めていかなければならないという答弁でありましたが、今後の遺跡の保存の在り方等を含め検討もしていかなければいけないと思いますが、どのような認識でしょうか。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  今後の調査や遺跡の保存等に関することにつきましては、今月になりますけれども、安芸市瓜尻遺跡調査指導委員会という専門家の委員会を設けてまして、その中で遺跡の保存並びに活用などについて専門家の御意見をお伺いしながら今後進めていくというふうなことにしております。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 先ほど答弁の中で、専門家による瓜尻遺跡調査指導委員会がつくられて今後検討をしていくというような答弁でありましたが、そのことについて、もうちょっと質問させていただきたいと思います。
 先ほど生涯学習課長が言いましたように、この3月で考古学専門家によります瓜尻遺跡調査指導委員会が設置をされています。このことについては市長挨拶でも述べられましたが、今後において、同委員会からの意見や検討結果を参考にして学校建設と遺跡保存を図っていくとのことでありますが、この委員会の主な役割と、各委員のお名前とか経歴をお聞かせ願いたいと思います。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  安芸市瓜尻遺跡調査指導委員会では、遺跡の発掘調査に関する事項、遺跡の保存及び活用に関する事項などについて、考古学、建築、文献史など様々な視点から指導・助言をいただき、統合中学校建設と遺跡の保存活用との両立について検討していただく組織としております。様々な分野の専門家による視点で見ていただくことによりまして、遺構等の不確定な部分が明らかとなり、遺構の価値づけという点で調査が進展するものと期待しております。
 委員会のメンバーにつきましては、まずお一人目が坂井秀弥さんという方で、この方が委員長でございます。専門分野は考古学・文化財学です。元文化庁の文化財部記念物課主任文化財調査官という役職の方でございます。現在は大阪府埋蔵文化財センターの理事長でございます。次、副委員長になっていただいている方は宮里修先生で、高知大学の准教授です。考古学が専門分野となっております。次に、委員ですが、森公章先生、東洋大学の教授で、専門が史学・日本史です。以前に高知大学の人文学部の助教授として、高知県にも詳しい方でございます。次に、大橋泰夫先生、島根大学の教授で、考古学が専門分野です。この方は南国市などでも調査指導委員会の委員として入られておる方でございます。最後に、箱崎和久先生、この方は奈良文化財研究所におられる方で、建築が専門分野となってます。この方も南国市の調査指導委員会の委員を務められている方でございます。以上です。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) そうそうたるメンバーによります瓜尻遺跡調査指導委員会が設置されたと感じました。
 次の質問に移ります。来月には学校敷地造成工事を発注する見込みで、発掘調査と並行して敷地造成工事を進めることで、全体スケジュールに支障がないように取り組むということが、この議会でも述べられております。さきの瓜尻遺跡調査指導委員会において、造成工事による遺跡の取り壊しをせずに現物保存が求められる、こういう状況になった場合には体育館や校舎の建設場所を移動させるなどが必要となってくると思われますが、こういうことに対してどのように対応するのか、まず伺います。
○尾原進一議長  学校教育課参事兼学校給食センター所長。
○秋山真樹学校教育課参事兼学校給食センター所長  まず現時点では、安芸市瓜尻遺跡調査指導委員会の専門家の方々の御意見も参考にやっていくことになるんですけれども、まず敷地造成工事については予定どおりやっていくということで今考えております。そっから先の建物のところになっていきますと、また御意見を参考にしながら、できることできないことがあると思いますので、そこを精査してやっていくことになっていくと思います。以上です。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 先ほどの答弁で感じたことは、取りあえず優先的に造成工事を進めていくといったような視点が述べられたように思います。私がこの場合に当たって、重要な遺跡が今の調べておるところで仮に判明、新たな出土とかいうことになれば、当然調査指導委員会としても、今後の学校建設のやり方についても意見が述べられると思います。そのために、私は、今回の指導委員を選任して、遺跡についての重要性から鑑みて、こういう専門家の委員会をつくったと、そこに大きな意義が私はあると思うところであります。そういうことはしっかりと指導委員会と綿密な検討を加えてですね、対応していくことが求められると思います。
 次の質問に移りますが、これまでの出土した遺跡から、専門家の意見として国史跡の指定も考えられるなどの意見も寄せられていますが、瓜尻遺跡調査指導委員会が調査の範囲の拡大、先ほど私が述べましたが、調査の範囲の拡大などの意見が出た場合はどのようにする考えなのか伺います。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  調査委員会には、現在の統合中学校の候補地の範囲内、構造物が建つところの今現在発掘調査を行っているところの範囲内での調査指導という形でお願いしておりまして、範囲を広げるとかいうような御意見等は承っておりません。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) これまでの調査指導委員会ができるまで、ここのメンバーになっている3人ほどの委員の方々は、これまでの遺跡調査によって、まだまだ重要な遺跡が調査をすれば判明する可能性が高いと、このようなことを述べるとともに、今後の調査の区域の拡大を述べている委員もおりますので、行政の都合だけで今の範囲だけというようなことではなしに、行政が考えていかなくてはならないのは、専門家などが述べておるように、調査範囲を広めてきちんと調査をすれば、もっと価値の高いような遺跡が出てくる可能性が大きいと。先ほど言いましたように、国遺跡にもなり得る可能性が高いということが示されておりますので、柔軟な対応を私は行政はすべきではないかと思いますので、指摘をさせていただいておきます。
 次の質問に移りますが、市民や遺跡発掘に関心のある一般の方々から出されている意見についてどういうものがあるのかを含めて伺いますが、なお、市民有志で立ち上げられた瓜尻遺跡を考える会は市長に、学校建設と遺跡保存の両立、そして調査の拡大のこれらの要望書を出しているとのことでありますので、その点を申し述べておきます。
 そしてまた質問に移りますが、これまで安芸市に対して、遺跡発掘や学校建設に対する市内外の方々からの意見は寄せられたでしょうか。ありましたら、どのような内容の意見であったのかを伺います。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  先ほど議員が言われたように、安芸市長宛てに、瓜尻遺跡を考える会という団体から、3月1日付で瓜尻遺跡に関するアンケート結果、要望についてという文書をいただいております。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) ほかの一般的な市民とか安芸市内外で遺跡に関心のある方からの意見とか要望とかはありませんでしたか。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  私の記憶では、お一人の方が一度要望に来られたという記憶はございます。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) それはどのような内容の話でしたかね。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  瓜尻遺跡の保存について、現状保存してほしいという要望でございました。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 続いて質問をさせていただきます。今回の遺跡発掘は、過去の安芸市の遺跡発掘と比べて、類を見ない大きな関心が安芸市内外から寄せられています。新聞紙上にも載ったとおり、専門家も非常に関心を強めておるということが見受けられます。安芸市が主催した発掘現場説明会への多くの方々の参加は、行政職員は、もう感想として出ましたが、予想を大きく上回る参加でもあった模様です。また、民間団体が自発的に開催した4回にわたる遺跡学習会にも多くの受講者があったと伺っています。また、瓜尻遺跡を考える会が遺跡に関心のある方々によってつくられ、遺跡と学校建設についての意見の聞き取りやアンケート活動など、安芸市で自発的に行われるなど、遺跡発掘に大きな関心が寄せられています。
 そこで、瓜尻遺跡を考える会が行ったアンケート、先ほども市長に提出をされたということが生涯学習課長からありましたが、このアンケート結果と意見を紹介させていただきます。少々時間が必要ですので、よろしくお願いします。
 アンケートに答えた方の総計は521名で、安芸市在住者337名、64.7%、安芸市以外が184名、35.3%でありました。この人数が多いか少ないかの認識は分かれるところだとは思いますが、一定の意見集約の指標として見ることができると考えております。アンケートでの設問は幾つかにわたりますが、認識を伺う件については以下のとおりであります。まず、安芸市の統合中学校建設地の発掘調査で飛鳥時代の寺院や古代の役所があったことが高知新聞で報じられたのを御存じですかというこの質問に、知っているが374名、71.7%、知らないが138名、26.4%、無回答10名、1.9%。そして、この瓜尻遺跡について、安芸市やまだ市民向けの説明を行っていませんが、そのことについてどう思いますかの設問には、早急に実施したらよいには393名、75.4%、実施しなくてもよいは18名、3.4%、分からないが90名、17.2%、無回答21名、4%です。そして、この瓜尻遺跡は統合中学校を建設するために発掘調査が行われていますが、遺跡との関係でどう思いますかとの設問について、4点に分けて意見を複数回答にて聞いています。その結果が回答数620件でありまして、計画どおりに学校建設をしたらよいに28名、4.5%、遺跡を保護し、設計変更するなどして学校を建設したらよいには261名が回答、42.1%、そしてまた、研究者や市民の意見を聞いてから考えるとよい、これに丸をした人が、298名が回答しています。これは48.1%に当たります。分からないが33名、5.3%などであります。ここで対照的な回答は、計画どおりに学校建設を優先すべきが5.4%とこの範囲では低く、遺跡保護と学校の両立の意見をよく聞いて対応するなどの意見が大半を占めておったわけでありますが、このようなアンケート結果をどのように捉えるのかお伺いをいたします。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  アンケートの結果から、市内外を問わず、多数の方が瓜尻遺跡に関心を寄せられているということが分かりました。文化財保護は行政だけで行えるものではなく、地域住民の御理解があってこそ継続的な保護が可能となり、後世への継承や教育、観光などへの活用にもつながっていくものと考えております。また、遺跡の保存活用を求める声の中には学校建設に御理解のある御意見もございましたので、学校建設と遺跡の保存活用の両立が図れるよう進めていきたいと考えております。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 続いて質問を行います。先ほどのアンケートに加えて意見をお聞かせくださいの欄を設けてありましたが、これに意見を書いた方が、私の計算では108名ほどの方々が様々な意見を書いておりました。大まかに私なりに仕分けをいたしますと、学校建設最優先が108名の中で6名ありました。そして、遺跡の保存で観光や教育に役立てるなどとの意見が一番多くて52名、そしてまた学校建設と遺跡保存の両立等が24名、見学会などを開いてほしいなどのその他の意見が26名程度でありました。それぞれの代表的と思われる意見では、学校建設最優先では6名という少ない意見の中ですが、遺跡を保存し設計するほど重要なものですか、学校建設も市民の声です、こういう意見と、埋蔵文化財研究者のすること、開校が遅れる、こういう意見もありました。また、遺跡が出土するマネジメントができていなかったのでしょう、設計変更するのも予算が必要、方向性と時間、予算と段階を踏んでいるのでしょうと、こういう意見も含めて6名の中にありました。学校建設の優先への理解をこのように述べておるのかなと思います。
 また、一方の遺跡の保存で、観光や教育に役立てるなど、そしてまた学校建設と遺跡保存の両立などの意見は多く述べられておりまして、歴史的価値のある遺跡と新設の中学校が共存できる方法を検討してもらいたい。遺跡のある中学校いいと思いますが、また安芸市を歴史のまちとして売り出せるチャンスでもあると思います。そしてまた、貴重な遺跡はしっかり保存してほしい。そして、安芸市を名実ともに文化の里にするために、この遺跡を保護し、市民や国民の財産にしてほしい。そしてまた、県下、全国的に意義ある遺跡なので、専門家や市民など多くの人の意見を聞き、結論づけたらよいと思う。また、中学校の建設と並行し記念館を造る。遺跡の保護と中学校の建設を両立させる。観光化も狙うというような意見。大切な歴史遺産守ってほしいです。そして、遺跡を保護し、観光に生かせないでしょうか。近くに彌太郎邸もある、統合中学校の名称を瓜尻中学校にすると面白いがなど、76名の中の代表的な意見の内容ではないかと思い、紹介させていただきました。これらアンケートやその中で述べられている意見に対して、見方や感じ方は人それぞれの受け止め方により認識の違いはあるでしょうが、全てを紹介することは時間の関係で省きますが、これらの意見を行政としてどのように受け止められるのか伺っておきます。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  先ほどの答弁とちょっと重複してしまいます。申し訳ございません。アンケート結果から、市内外問わず、多数の方々が瓜尻遺跡に関心を寄せられているということが判明いたしました。文化財保護は行政だけで行えるものではなく、地域住民の御理解があってこそ継続的な保存が可能となり、後世への継承や教育や観光などへの活用につながっていくものと考えております。また、遺跡の保存活用を求める声の中には学校建設に御理解のある回答もありましたので、学校建設と遺跡の保存活用の両立を図れるよう進めていきたいと考えております。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 安芸市全体の市民の声というところの多さでは、アンケートの幅、どこのどのような人にアンケートが回ったか私把握してませんので、しかし、500を超す自発的なアンケートでは、結構全市的に声を聞いておる可能性もありますし、やはりそういう市民の声と専門家の指導・助言・意見含めて、今後の安芸市のために役立てるということで対応を広く望むところです。
 次のこの項についての5点目の質問に移ります。次に、統合中学校建設と埋蔵文化財発掘及び保存の両立について伺います。先ほども何度か生涯学習課長が両立のことを御答弁しておりますが、重なる答弁になるかとも思いますが、質問をいたします。
 これまでの埋蔵文化財の保存については、発掘された遺跡について、展示及び写真や文書での保存を行うということを述べておりました。建造物の遺跡や遺構の現物保存については、埋め戻し以外の考えはこれまでは示されておらないところであったと私は認識をしております。高知大学の宮里修准教授は、安芸市には、今後の活用や再調査のための遺跡の保護と学校建設を両立させ、教育現場でも調査成果を生かしてもらいたいと述べていることが1月16日付高知新聞の報道でも紹介されています。さらに、2月10日付高知新聞報道記事において、新聞を読んでの欄におきまして、土佐史談会会長・宅間一之氏による古代史解き明かす遺跡と題して、瓜尻遺跡について論説されています。東部の古代史を解き明かす発見と脚光を浴びているとして、官衙の中心施設跡と見られる建物跡や安芸川につながると推定される水路や倉庫群が見つかったことや、寺院が瓦生産や鍛冶に、鍛冶屋の鍛冶です。鍛冶に関する公人、職人の意味であると思いますが、公人まで抱えていたということに発掘調査の成果の大きさに関心が高まらないわけがないと述べており、将来的に国史跡の指定も目指せる遺跡と紹介する大橋泰夫島根大学教授や東洋大の森公章教授の瓜尻遺跡と周辺に現存する神社や、遺跡と関連して遺跡の価値を高めたとする評価や、県内での古代寺院を中心とした土佐の古代に光が見えたとして、高知大学の宮里准教授の瓜尻遺跡への評価や今後の活用への考えに同感すると述べています。
 このように、瓜尻遺跡に関しての専門家の方々がそろって、遺跡保存と学校建設の両立など、今後の発掘状況を含め、遺跡の活用を求めていると私は認識しているところです。これらについて、行政の考えはどのようなものなのか伺います。さきの質問において、瓜尻遺跡調査指導委員会の設立に関する質問でも触れたところですが、この委員会においても学校建設と保存活用の両立についての意見聴取の考えがあるのかも含めて伺います。
○尾原進一議長  生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長。
○長野信之生涯学習課長兼少年育成センター所長兼女性の家館長兼図書館長  統合中学校の建設は次代を担う子供たちの教育環境を整備する重要な事業です。また、遺跡もこの地域にしかない財産であります。先ほどのアンケートにもありますように、遺跡の保存や教育、観光等での活用との意見も出ております。今後におきましては、繰り返しになりますが、学校建設を進めながら、いかに遺跡の保存・活用ができるのかということについて、委員会の専門家の皆様に御意見等をお聞きしながら検討していきたいと考えております。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) よろしくお願いします。
 次に、市長にお伺いをいたしたいと思いますが、瓜尻遺跡を考える会として市長に要望書が渡されたということもお聞きしておるところですが、市民の中からはですね、遺跡保存で教育や観光資源に役立たせてほしいと、こういう多くの声が寄せられています。これは代表的なことではないだろうかと、また行政に強く求める市民の声だと私は認識しておりますが、市長の考え、生涯学習課長の答弁と重なるかとも思いますが、市長に改めてお伺いしておきたいと思います。
○尾原進一議長  市長。
○横山幾夫市長  これまで生涯学習課長が答弁申し上げてきたとおりでございますが、瓜尻遺跡の評価といいますか、価値といいますか、いうのは今、調査指導委員会の先生方で協議をしてもらってますので、そこはほんとに今の時点での国史跡に該当するのか。例えば、まだこれからほかのところも発掘調査をして、それ一体でそうなるのかというところもまだ全く分からない状況ですので、私、半ば素人といいますか、今の時点ではそういう判断を下すことは難しいんで、やっぱり調査指導委員会の先生方の意見を聞きながら取り組んでいかなければならないというふうに考えております。以上です。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 遺跡に関しては、私も学校建設をするという前提の下にこの遺跡調査が行われたということは、庁舎建設し、また統合中学校の建設し、双方とも、それは百も承知であります。ただ、後世に現物を残しておけば、安芸市の有益な対策となるというようなことについて、壊してしまえば、もうそれで終わりです。そこのところが、私はきちんと後悔の残らないような幅広い考えでもって決めていかなければならないと思いますので、そのことを強く求めて、この質問に関しては、今回終わります。
 次に、生活保護の申請後における扶養照会についてに質問を移します。
 これまで扶養義務の対象として、生活保護の申請後に申請者の3親等になるまでの親族に申請者に対する生活援助ができないかどうかについての照会を行っています。この照会によって3親等の親族が生活保護の申請を知ることから、申請自体をためらう事態に至るケースが多いことが問題に上げられています。特に、このコロナ禍における生活苦による相談が多く寄せられ、生活維持のため生活保護申請のアドバイスをした際に、扶養照会により親族に生活保護申請が知られることで、申請そのものをためらう事態が起きています。生活困窮者を支援する一般社団法人つくろい東京ファンドという団体がありますが、この団体が昨年末、そして今年の年始において調査をいたしております。調査内容は、生活が苦しいのに生活保護を利用したくないと答えた人のうち3人に1人が、家族に知られるのが嫌というのが理由だと調査の結果を報告があっておるところです。また、自由回答において、今の姿を娘に知られたくない、家族に知られるのが一番のハードルなどの声が寄せられ、同ファンドは、困窮者を生活保護制度から遠ざける不要で有害なこの扶養照会はやめてくださいと求めておるとのことであります。
 また、私も議員となりまして、これまで生活困窮の相談を受け、生活保護を受ける権利があるので申請を勧めるとともに、相談者の要望から保護申請に同席する機会が多くありました。その中で、家族に申請を知らせなければいけないのかという戸惑う状況や、親族と不仲の関係や、また付き合いが長年ない状況などから、扶養照会をしないでと強く求める場面があるなど、扶養照会の中止を求めた経過もあります。この扶養照会は、生活保護の申請手続の上での矛盾の大きさを私自身も感じてきたところであります。
 今年1月28日、参議院予算委員会で共産党の小池晃書記長がこの問題を取り上げ、生活保護の申請を親族に知られたくないとの思いを代弁しながら、保護申請の際に行われる親族への扶養照会はやめるべきだと求めております。田村厚労相はこの答弁の中で、16年7月に保護を開始した1万7,000世帯に関して、照会件数が3万8,000件あったと。うち金銭的援助が可能と回答したのが僅か0.016%の約600件にしかすぎない、この答弁をしております。また、小池氏の質問に田村厚労相は、扶養照会は生活保護申請後の義務ではないと明言しました。これを受けて小池氏は、法律事項ではなく、実施要領という一通知だけのもので、政治が決断すればやめられるものだとして、生活保護申請の妨げになっている扶養照会をやめることを強く求めております。
 そこで伺いますが、安芸市における扶養照会の状況はどのようなものか。また、田村厚労相は扶養照会は義務ではないとの答弁をしていますが、安芸市の認識はどのようなものなのか。また、扶養照会が生活保護申請における妨げになっているという認識についてどのような受け止めをされているのか伺います。
○尾原進一議長  福祉事務所長。
○山崎美佳福祉事務所長  お答えいたします。
 本市におきまして、生活保護の申請があった場合に、扶養義務者につきましては、交流のある親族を聞き取りにより確認いたしております。基本的には3親等内の親族について扶養照会をすることとなりますが、DVなど特別に配慮が必要なケースにつきましては、確認し、照会しておりません。また、3親等内の親族でも70歳以上の高齢者や未成年者、長期入院患者などについては扶養照会から除外しております。
 大臣が言ったっていうことにつきましては、生活保護法におきまして、扶養義務者の扶養は保護に優先して行われるものと定められておりますが、保護の要件とは異なる位置づけのものとして規定されております。これは、例えば実際に扶養義務者からの金銭的扶養が行われたときに、これを被保護者の収入として取り扱うことを意味するものでありまして、扶養義務者による扶養の可否が保護の要否の判定に影響を及ぼすものではありません。そういうふうに認識しております。
 また、扶養義務履行が期待できない者につきましては、長年交流がない人ということもありまして、本年の2月26日付で厚生労働省のほうからも通知が来ておりまして、今まで扶養の可能性が期待できない者として、従来20年間音信不通であるということが言われておりましたが、今回の通知の中で、そこが10年程度音信不通であれば著しい関係不良とみなしてよいということも示されております。こうした通知も踏まえまして、安芸市では、保護の相談に当たっては、丁寧に生活歴等を聞き取り、扶養義務の履行が期待できないと判断される扶養義務者には扶養照会を行わないことに留意し対応してまいると考えております。以上です。
○尾原進一議長  暫時休憩いたします。
     休憩  午前10時57分
     再開  午前11時3分
○尾原進一議長  休憩前に引き続き会議を開きます。
 10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 先ほど、扶養照会の件につきましては、答弁では、DVなどを受けておるところが明らかになれば対象外にする。そしてまた、国のほうから、これまで扶養照会をしないという条件としては、20年以上の付き合いがない親族、これを10年に縮ばめたといったことが通知であったというようなことの答弁がありましたが、私が質問の中で紹介しましたように、田村厚労相が答弁した、扶養照会を行って、その金銭的な援助ができると答えたのが僅か600件と、3万8,000件の中で0.016%という数字ですが、このために多くの方が申請自体を諦めるという事態も生まれて、先ほど紹介した、東京にあります相談とかのファンドが述べておりますように、この照会自体はほとんど意味をなさない、与える影響は生活保護を諦めるということにつながって、有害であるのでやめてほしいと、こう調査聞き取りした中での結論として述べておると私は思います。
 私は、生活保護に頼る最後のセーフティーネットであると思います。このことによって、扶養照会という、たとえ親族であっても、皆に知らせるというようなことは効果がないことも明らかですし、私はやめるべきであると。そしてまた、申請者本人に扶養照会をすることも仕事の1つですが、して構いませんかという本人の承諾含めて対応していくということが最低限求められると私は思います。これまでの生活保護の相談を受けて対応してきた多くがそれで悩んでおることも実態としてありましたので、特に今後の運用については、扶養照会は最低限しないような方向を私はとるべきだと思いますので、申し述べておきたいと思います。
 次に、質問の3点目でありますが、安芸市の将来を担う若い世代の担い手づくりについて伺います。
 担い手づくりといえば、団体の運営する担い手、地域での公民館活動の担い手、また老人会の担い手、婦人会の担い手、様々ありますが、私がここで上げる担い手は、特に安芸市の基幹産業、第1点目での質問は、安芸市の基幹産業における担い手づくりについて伺います。
 まず初めに、安芸市におけますこれまでの担い手づくりと今後の取組についてでありますが、今、人口問題が自治体の大きな課題であります。人口の確保の点については、いかに住みやすい環境をどのようにつくるのか、働きやすい環境をどのようにつくるのか、年代別での取組を含めて総合的な取組が求められますが、これとてなかなか容易なことではありません。しかし、毎月のように安芸市の人口減少が続いておりますので、人口減少に歯止めをかける思い切った事業の展開が必要だと思います。その要に、担い手をいかに多くつくるかにかかっているといっても過言ではないと思います。人が住むには働く場所の確保が第一です。例えば、昨年、農福連携事業において、農業経営をされている方が障害を持つ人々の仕事確保のために農業に従事する事業所を開設しました。この中心になった方は数年前に安芸市で農業を始めた方で、農福連携の事業に大きな関心を抱き、その活動に参加をする中で事業所の開設に至ったというところであります。これが1つの大きな成果だと私は思います。後継者の確保はもちろんのこと、新規就業者を確保するための取組は欠かせません。安芸市の基幹産業におけるこれまでの担い手づくりと今後の取組をどのように進めるのか、それぞれの担当課に伺います。
○尾原進一議長  農林課長兼農業委員会事務局長。
○大坪浩久農林課長兼農業委員会事務局長  私のほうから、農林業の担い手づくりということで答弁をさせていただきます。
 本市の農林業にありましては、気候条件や特産品などの地域資源の強みを生かして担い手づくりを行ってきております。まず、本市の新規就農の対策としまして、特徴的であるのは、就農希望相談から農家研修、それから、新規就農までを一連で支援するトータルサポートの取組であります。このうち農家研修につきましては、国の農業次世代人材投資事業など、有利な事業を活用して、受入れ農家の御協力の下で、JAや高知県農業振興センター等の関係機関が協力をしましてサポート体制を構築し、研修生に対して巡回指導など、円滑な就農のためのきめ細やかな支援を展開してきております。平成22年から令和2年度までに34名がこの研修を終了して、市内で就農をしております。
 今後の取組につきましては、市内外から新規就農希望者を広く受け入れることができますよう、従来の農家研修に加えまして、国の農の雇用事業などを利用できる受入れ農家の確保などに取り組んでまいりたいと。研修と就農のパターンというようなことで、そういった受入れ農家ができますように、うまく確保していきたいというふうに考えております。
 また、研修終了後の支援としましては、施設園芸では、施設の要となります新規就農サポートハウスを、これ5棟ございますが、円滑に管理運営するとともに、新規就農者の農地を確保するために毎年市内を回っております人・農地プラン座談会と、こちらのほうで地域座談会の地域懇談の機会を通じて、空き農地や中古ハウス情報の収集に取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、本市の林業における担い手づくりにつきましては、これまで林業事業体の事業支援を基本としておりまして、国の緑の雇用事業や森の担い手育成事業などを活用して、新規就業者の確保・育成や特用林産業の担い手の確保・育成にも取り組んでまいりました。今後の取組としましては、令和元年度からの森林経営管理制度に基づいて、森林整備対策はもちろんのこと、人材育成、担い手確保対策、そして木材利用など、一体的に講じてまいります。その促進を図るため、林業、それから木材関係者で組織をしております、昨年設置しました安芸市森林整備促進協議会におきまして、その有効活用策等を検討し、来年度、令和3年度にも補助事業の創設の予算を反映するなど、取組を進めております。私からは以上です。
○尾原進一議長  商工観光水産課長。
○山崎冨貴商工観光水産課長  私のほうからは、商工業、水産業について御答弁を申し上げます。
 まず、商工業における担い手支援についてでございます。
 本市におきましては、安芸國鬼瓦、内原野焼の2つが高知県伝統的特産品として指定をされております。この伝統的特産品の後継者確保を促進するために、令和3年度当初予算におきまして、技術習得に向けました研修期間中の生活支援や指導者への謝金等の費用を支援する補助制度の創設を予定をいたしております。
 次に、本市の水産業における担い手支援についてでございます。
 平成25年度から、パッチ網漁業者の新規漁業就業に向けての研修を補助対象とし、一本釣り漁業やパッチ網漁業の研修期間中の生活支援や指導者への謝金等の費用を支援してきているところでございます。平成31年4月からは、高知県や市町村漁協が会員となり、一般社団法人高知県漁業就業支援センターが設立をされております。高知県内における水産業の新規就業に関する相談窓口を一本化いたしまして、研修制度の実施機関にもなり、水産業の担い手づくりが進められております。本市におきましても、現在、一本釣り漁業で2名、パッチ網漁業で1名の研修生が新規就業へ向け研修中であり、今後におきましても、高知県漁業就業支援センターや安芸漁協等の関係機関をはじめ漁業者とも連携をいたしまして、担い手の確保に努めてまいりたいと考えております。以上でございます。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) 一定の担い手確保とか新規就業者に対する補助を行うとかの創設を今後予定しておるという報告がありました。こうしたのをどんどん進めていくことによって、私は、新たな新規就業者が確保できますし、厳しい中で頑張っておる、そういう事業者の方々の支援をする中で元気にしていくといったようなことにつながると思います。
 しかし、先ほど聞いた数から見ますとですね、例えば農家のほうでも、私どもが古い話をしても現実ではないと言われるかもしれませんが、私たちの少年時代は、例えば農家であれば、ほとんどの農家が、そこの長男、あるいはまた次男とか、可能な限り跡取りを各家々がつくっていた。そういう時期が、戦後間もないところでありますが、農家が頑張って、そして、そういうことの結果、人口が3万人ほどあったんではないかなと思います。今は人口そのものもその半分になっておるところでありますので、やはりもっともっと規模を拡大してそういう就農支援とか、また漁業、林業、商工業の支援をしていくことが必要だと思います。特に、このコロナの中で、もう悲惨としか言いようのない、飲食業を中心としたそういう事業を頑張ってこられた方々が、かなりの数が事業を諦めるというようなことを含めて、先日も高知新聞等で、南国市のグレース浜すしが破産したといったような、小さい企業だけではなしに、中堅企業もそのような事態に遭ってます。そういう中で、しっかりとそういう事業で頑張る人を応援して、元気にやっていただく。そして、そういう中で新規事業に従事する、そういう市民を多くつくることが何よりも私は大事だと思いますので、ぜひとも頑張っていただきたい、そういうことを申し添えて、次の質問に移ります。
 次に、保育事業におけます若い世代の取組を生かす将来の安芸市像について質問をいたします。
 この質問のテーマは、今後、元気な安芸市をいかにつくっていくのかということで、安芸市の将来を担う若い世代の担い手づくりを継続させていく息の長い取組を行うことが必要だという思いから、ボランティア的な保育事業での取組に焦点を当てて、そこから見えてくる担い手づくりを考えて、元気な安芸市づくりへのヒントを御一緒に考えることを提案できればと思って取り上げたところです。
 保育事業は子育てに欠かすことのできない大切な仕事であることは私が言うまでもありません。健やかな子供が育つために、保育職員の皆さんが保育現場で頑張り、年齢や体力、子供の状況に応じた必要な保育の在り方や保護者の様々な要望にも応えていき、安心して子育てができる環境づくりが求められる中で、これまでそれぞれの立場で継続した取組がされてきたと私は認識をしています。
 安芸市の保育事業の中で、子供の状況に応じた安芸市独自の職員の配置など、充実・安心の子育てができる環境づくりが全国的に高く評価された時期がありました。これも職員と保護者の連携した行政への働きかけで実現した総合的な取組であったことは明らかです。この時期においても、それぞれの担い手づくりの継続の力であったと私は認識しています。そして、今も保育職員の働きかけで保護者の皆さんが連携して、保育の充実や子育て環境の充実、改善について話し合い、要望を出し合うとともに、保育行政への働きかけを行い、それらを通して、最近においては、年齢別保育の実施、保育時間の延長、全ての保育所へのエアコンの設置や保育所駐車場の舗装と改善、学童保育所問題、子供の遊び場、災害対策等の地域の要望など、あらゆる子育て環境の充実が提案され、実現してきた事例も生まれています。これらは安芸市の子育てに欠かせないことばかりであります。保護者は子供の成長とともに毎年入れ替わり、役員としての担い手も入れ替わりますが、必要に応じて新たな担い手づくりが継続しています。これらの体験から学び、安芸市全体の担い手が育てば、元気な安芸市づくりへと進んでいくことに発展するのではないかと考えるところです。
 今後の安芸市づくりに向けて、若い担い手づくりとして保育事業への関わっての事例を1つのヒントとして取り上げましたが、保育事業に関わってきた行政としてどのようにこれらを受け止めておられるのでしょうか。伺っておきます。
○尾原進一議長  福祉事務所長。
○山崎美佳福祉事務所長  お答えいたします。
 保護者から信頼され、地域に根差した保育所となるということを保育目標の1つに掲げ、保育所運営を行っております。ゼロ歳児から5歳児の子供さんの保護者、20代から40代の若い世代の方に、子供のため、保育所のために保護者会活動などに取り組んでいただき、保育所の運営に御協力いただいているところでございます。
 先ほど議員がおっしゃってくれておりました行政への要望とかいうことについてですが、年に1回、保護者の代表と市長、福祉事務所、庁内の関係各課との意見交換を行っており、保護者と直接顔を合わせて生の声を聞くことができるよい機会、貴重な機会と捉えております。
 御意見につきましては、保育施設に対するものや保育サービスの充実、保護者負担の軽減などが中心ですが、保育にとどまらず、子育て世代の視点から、安芸市の活性化、防災や観光などについての御意見もいただいております。また、従来から子供たちの自主性を尊重した保育の質の向上にも取り組んでいますので、そういった観点からも意見交換ができればと考えております。保護者会活動が、これから学校のPTA活動とか、議員もおっしゃいましたが、公民館活動などにもつながって、それぞれの地域に貢献している場合もたくさんあろうかと思います。御意見をお聞きして、共に保育所運営を行っていきたいと思っております。以上です。
○尾原進一議長  10番 川島憲彦議員。
○10番(川島憲彦議員) ありがとうございます。ぜひ、1点目に上げました基幹産業を活性化することと、地域でいろいろと要望を出して住みやすい地域にする。そして、それが全体的な安芸市の元気と住みやすい安芸市、これらをやはりつくる中で、安芸市で住んでみたい、こういう人をいかに多くつくるか、安芸市から外へ出ない人をいかにつくるか、これが私は人口減少を食い止める大きな取組になると思います。
 ある市民から、今の安芸市を見て、もっと若い人たちが市政に関わっていくような、そういう意見を述べる場、話し合われる場、実際に住みやすい安芸市を目指しつつ、若者のそういう動きもつくっていくことが一番大事でないかと指摘をしておる市民もありました。ぜひとも、庁舎の中だけではなく、やっぱり職員が外へ足を運んで市民の声を聞く、そういう中で安芸市の将来に必要なことを吸い上げていく、そういう取組をぜひともしてほしい。私はそこに保育職員の頑張りが、私は見逃すことができないと。そういう中で行政職員の皆さんが頑張っていただく、そういう願いを強く抱いております。
 最後に市長に伺いますが、私は、様々な分野において、市民と行政の連携によって住みやすい安芸市がつくられるものと考えています。市民への負担増を求めるなどの場面では、行政の進めることに対し私どもは対立する場面もありますが、市民と一番身近な窓口となる地方自治体の職員の皆さんには、先ほど言いましたように、住民の暮らしを支える立場において頑張っていただきたいとの思いを強く抱いております。
 そこで最後に、将来の元気な安芸市に向けて、担い手づくりをどのように考えておるのか、取り組んでいく考えなのか。改めて市長に伺って、質問を終わります。
○尾原進一議長  市長。
○横山幾夫市長  将来の担い手づくりにどうやってということでございますが、今回の質問は保育関係に特化してと……
    (発言する者あり)
○横山幾夫市長  ヒントですか。かなり大きな安芸市の課題でもございますが、ただ、先ほど議員もおっしゃられましたが、外部の声、地域の人の声を聞くというのは一番基本的なことだというふうに自分も思っております。これにつきましては、先ほど議員のほうから保育の職員が頑張ってということですが、行政の職員もそういうことで地域へ出ていっておりますので、全員が全員ではないというところも否定はできませんが、できるだけ外へ出ていって、地域の住民の方の生の声を聞くと、これは基本であるというふうに自分は思っております。
 それで、先ほど所長のほうからも答弁を申し上げましたが、やはり自分の思いとしては、子育て世代、若い世代の子育てに対する純粋な思いを聞いて意見交換をすることは、現在、そしてこられからの安芸市の担い手も含めて、まちづくりにおいて、絶対なくてはならないものであるというふうに考えておりますので、やはり先ほどから申し上げておりますが、そういう地域の方の声を聞くことが一番重要ではなかろうかというふうに考えております。答えになっているかどうか分かりませんが、以上です。
    (「ありがとうございました」と呼ぶ者あり)
○尾原進一議長  以上で、10番 川島憲彦議員の一般質問は終結いたしました。

添付ファイル1 一般質問 川島憲彦 (PDFファイル 302KB)

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