議会会議録

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一般質問 徳久研二

質疑、質問者:徳久研二議員
応答、答弁者:農林課長兼農業委員会事務局長、市長

議事の経過
 開議  午前10時
○吉川孝勇議長  これより本日の会議を開きます。
 日程に入る前に事務局長が諸般の報告をいたします。
 事務局長。
○山崎冨貴事務局長  本日の出欠状況を報告いたします。
 定数14人、全員出席であります。
 以上で諸般の報告を終わります。
○吉川孝勇議長  これより日程に入ります。
 日程第1、一般質問を行います。
 5番 徳久研二議員。
○5 番(徳久研二議員) 通告に基づきまして、一般質問を行います。
 質問する内容につきましては、官行造林について、市長の政治姿勢を質問させていただきますので、よろしくお願いをいたします。
 官行造林は、公有林野等官行造林法、大正9年法律第7号に基づき、国が公有地、または私有地に造林をした分収林であり、林野庁、いわゆる森林管理署が管理を行っているものであります。
 公有林野等官行造林法は、昭和36年5月19日法律第88号をもって廃止をされておりますが、廃止をする前の公有林野等官行造林法に基づき締結された契約については、同法はなおその効力を有することとされており、安芸市においては、昭和12年4月に旧穴内村が契約を締結した妙見山の112.56ヘクタール、安芸市が合併直後の昭和29年12月に契約を締結した伊尾木黒瀬谷山の107.32ヘクタール、昭和30年12月に契約を締結した下山八重ケ谷の39.08ヘクタールが官行造林地となっております。
 公有林野等官行造林法は、昭和36年に廃止をされましたが、同法が廃止をされる前に、この法律にかわる分収造林特別措置法が昭和33年4月15日に法律第57号として制定されており、分収林はこの法律のもとに全国的に増加していったわけでありますが、木材価格は1980年、昭和55年をピークに長期的に下落傾向にあり、1990年代以降は分収林契約は全国的にもほとんど行われておりません。
 旧穴内村が契約を締結した昭和12年は、西暦で言えば1937年であり、1929年にアメリカに端を発した世界恐慌のあおりを受け、日本でも1930年から1931年にかけて昭和恐慌が発生し、当時は都市部はもとより、地方部でも失業者があふれていた状況でありました。アメリカは、1935年に失業対策として第2次ニューディール政策を打ち出しており、官行造林はアメリカのニューディール政策に倣って、日本でも不況対策の一環として森林を利用した公共事業としての造林政策の側面があったものと思われます。また、伊尾木、下山の官行造林は、戦後不況の真っただ中で、これも雇用創出のための造林政策であったと想定されます。
 官行造林など、分収林のメリットは効率的な森林造成にあり、土地の所有者は森林を造成する資金的な余裕がない場合など、土地所有者への負担がない状態でも森林を造成することが可能であり、当時、多くの小規模自治体が財政再建団体に近いような状態の中で、旧穴内村や合併したばかりの安芸市も官行造林に取り組んだものと思われます。
 しかし、このように所有と経営を分離することにより造林を実施してきた分収林システムが、近年の材木価格の低迷により、資本回収不能な森林の増加という問題が全国的に起こっています。搬出条件の悪いところなどは、条件によっては赤字になるとも聞いております。契約当時は、現在のような状況は想定されていなかったわけでありますが、現在では不良債権化した官行造林地が全国では潜在的にたくさんあると思われます。
 官行造林は、当初に分収契約を結び、この分収契約には持ち分、期限が取り決められているはずであり、その期限は伐期に達するまでの50年から100年くらいの期間になると思われますが、官行造林など、分収林は契約満了を迎えたら基本的に伐採をしなければならないはずであります。
 それでは、お伺いをいたしますが、旧穴内村が国と契約を締結した妙見山の官行造林、安芸市が契約した伊尾木黒瀬谷山及び下山八重ケ谷の契約内容について、持ち分、契約年数、そして契約の終期はいつになっているのかお聞きをいたします。
○吉川孝勇議長  農林課長兼農業委員会事務局長。
○国藤実成農林課長兼農業委員会事務局長  まず持ち分、つまり収益を分ける割合ですけれど、3カ所とも、国50、市50の半々になっております。
 次に、当初の契約年数とその終期につきましては、妙見山が昭和12年4月から77年間の平成26年3月まで、伊尾木黒瀬谷山が昭和29年12月から62年間の平成28年3月まで、それから下山八重ケ谷が昭和30年12月から61年間の平成28年3月までです。
○吉川孝勇議長  5番 徳久研二議員。
○5 番(徳久研二議員) 妙見山の官行造林地は、昭和12年に旧穴内村が国と契約を締結して平成26年3月末で77年が過ぎ、伊尾木黒瀬谷山及び下山八重ケ谷は、本年3月末をもって伊尾木は62年、下山は61年が経過をしたということであります。
 そして、契約の期間も満了しておりますが、この3カ所の官行造林は現在どういった契約内容となっているのか、お伺いをいたします。
○吉川孝勇議長  農林課長兼農業委員会事務局長。
○国藤実成農林課長兼農業委員会事務局長  これら3カ所の官行造林地につきましては、所管の四国森林管理局、安芸森林管理署になるわけですけれど、所管の部署と協議をいたしまして、それぞれ契約期間を10年延長しております。
○吉川孝勇議長  5番 徳久研二議員。
○5 番(徳久研二議員) 本来ならば、官行造林は契約が満了すれば伐採をしなければならないはずでありますが、なぜ伐採をしなかったのか、どういった理由で契約の延長がされたのか、お伺いをいたします。
○吉川孝勇議長  農林課長兼農業委員会事務局長。
○国藤実成農林課長兼農業委員会事務局長  契約期間の延長につきましては、安芸市側から国に申し入れ、双方合意したものです。官行造林を売却いたします際は、皆伐、全て切るということが基本とされております。また、現行の森林法では皆伐後の跡地につきましては、森林所有者、つまり官行造林地でいいますと安芸市になるわけですけれど、森林所有者の責任において森林を再生、更新するよう規定されておりまして、そのやり方として天然更新、つまり人工的な手をかけずに自然の回復力に委ねるということも認められておりますけれど、伐採後、一定期間、具体的に言いますと、これは伐採が終了した翌年度から2年間になりますけれど、一定期間が経過しても、なお、適正かつ確実な更新が図られない場合は、再度、人工的な植林を行う必要があります。
 御質問の契約期間を延長した主な理由ですけれど、確かに官行造林の売却によりまして市に一時的な収益は入ってまいりますけれど、木材価格が下落低迷しております中で、その収益では皆伐後の跡地に再度植林をし、新たに向こう40年、50年と、下刈りや除間伐といった手入れを行っていくための費用が賄えないことや、仮に再度の植林を行うにせよ、また天然更新ではなおのこと、下流域の穴内地区における水源涵養機能の低下ですとか、あるいは土砂災害等のリスクが懸念されることなどから、総合的に勘案して延長したものでございます。
○吉川孝勇議長  5番 徳久研二議員。
○5 番(徳久研二議員) それでは、次に穴内妙見山の官行造林に絞って、もう少しお伺いをいたします。
 妙見山の官行造林は、契約満了時点で77年を経過し、杉、ヒノキも随分と大きくなっております。官行造林地は妙見山の西斜面にあり、市道妙見刑部線にも接道しております。また、索道を張れば、穴内、立花地区へも比較的容易に木材を搬出できます。妙見山の官行造林を皆伐して処分した場合の収益と、伐採、搬出に要する経費、森林管理署への支払い額、皆伐した後の植林経費等について、試算をすればどれくらいになるのか、お伺いをいたします。
○吉川孝勇議長  農林課長兼農業委員会事務局長。
○国藤実成農林課長兼農業委員会事務局長  お答えをいたします。
 官行造林の売却につきましては、通常、立木のみを入札にかけまして、落札をした林業事業体が伐採、搬出、販売等を行うことになります。
 まず収入、これは落札額がそのまま収入になるわけですけれど、安芸森林管理署の見立てでは、1億円程度ではないかとのことで、その場合、国と市の取り分は、それぞれ50%ずつの5,000万円となります。
 伐採、搬出等に要する経費につきましては、市内の事業所に確認をいたしましたが、施業のやり方ですとか立地条件等によって大きく変わるため、個々具体の現場を確認しなければ算定できないとのことでありました。
 次に、差し引き収益額はとの御質問につきましては、国及び市は伐採、搬出等を行いませんので、落札額がそのまま収益額となります。
 最後に、皆伐後の再造林に要する費用ですけれど、新植から35年生まで一般的な手入れを行うという条件で、安芸森林管理署と高知東部森林組合に試算をしていただいたところ、1ヘクタール当たり約400万円で、うち各種補助金を除いた市費負担が1ヘクタール当たり約75万円とのことで、妙見山の官行造林地の面積112ヘクタールを乗じますと、再造林に要する所要総額は4億4,800万円、うち8,400万円が森林所有者である安芸市の実負担となります。
○吉川孝勇議長  5番 徳久研二議員。
○5 番(徳久研二議員) 植林をまたしていけば完全な赤字ということで、なかなか官行造林も全国的には伐採も進んでいないという状況があるようですけれども、妙見山の官行造林地は穴内川の上流部に位置しております。これまで、水源涵養の役割を果たしてきております。地元の住民も、そろそろ伐期が来ているということは感じており、皆伐をした場合の水源涵養や土砂災害等への不安を募らせております。とはいえ、官行造林である以上、いつかは伐採しなければならないことも理解をしております。現在の延長契約が満了した場合、妙見山の官行造林地はどうするのか、お伺いをいたします。
○吉川孝勇議長  農林課長兼農業委員会事務局長。
○国藤実成農林課長兼農業委員会事務局長  契約期間が満了し、伐期を迎えた官行造林の取り扱いにつきましては、前段で申し上げましたような事情から、近年、全国各地で問題となっておりまして、市といたしましても、でき得るならば皆伐は望ましくないものと考えております。しかしながら、契約条項でありますとか国の意向、さらには、今後、木材価格がどうなっていくかといったことにもかかわってまいりますことから、今後における他自治体の動向等も踏まえて協議検討をしてまいりたいと、そのように考えております。
○吉川孝勇議長  5番 徳久研二議員。
○5 番(徳久研二議員) 官行造林としての契約線上で物事を考えていけば、将来的には皆伐しかないと思われますが、この際、妙見山については官行造林の契約を解除して持ち分譲渡してもらい、皆伐ではなく官行造林地の優良材を数年にわたって順次伐採する長期の択伐方法はとれないものか、それができれば、山にとっても地元にとっても一番よいと思われますが、優良材の択伐方法についての見解をお伺いをいたします。
○吉川孝勇議長  農林課長兼農業委員会事務局長。
○国藤実成農林課長兼農業委員会事務局長  安芸森林管理署に確認をいたしましたところ、官行造林の択伐、要は選択の「択」に伐採の「伐」ですけれど、全体を幾つかのエリアに分けて数年間でエリアごとに順次皆伐していくという方法、つまり実質的には丸坊主といいますか、皆伐になるわけですけれど、そういった意味での択伐は可能とのことでありますが、議員が言われるような、全体から優良材を選んで長期間にわたって伐採する、いわゆる間引き方式のようなことは官行造林では認められないとのことであります。
 このため、議員御提案のような択伐を行うためには、まず国の持ち分を市が金銭で買い取る、いわゆる議員が言われる持ち分譲渡ですけれど、妙見山の場合ですと、市が国に5,000万円を支払いまして官行造林契約を打ち切り、単独所有の市有林とする必要があります。このことは、仮に現在の延長契約の満了後も一切の伐採を行わずに、引き続き現状のまま森林を保全しようとする場合も同様であります。
 議員の御提案も一つの選択肢であろうとは考えておりますが、木材生産の面では、択伐より皆伐が圧倒的に効率的で採算性が高い。しかし、他方では水源涵養機能の保全ですとか土砂災害の防止、あるいは再造林費用の面では、皆伐よりも間引き方式の択伐、さらに究極的には何も伐採せずに保全することが望ましいというような御意見もあろうかと考えておりまして、持ち分譲渡を受ける場合に要する5,000万円をどのように評価をするかを含めまして、慎重な検証、検討が必要であろうと考えております。
○吉川孝勇議長  5番 徳久研二議員。
○5 番(徳久研二議員) 近年、山林の仕事は著しく減少しております。民間の林業事業所は経営に苦慮し、林業後継者の確保、育成も大きな課題となっております。官行造林は、もとをたどれば、不況による雇用対策の側面で行われてきた経過があり、山林を守り安芸市の雇用対策、人口対策の観点から見れば、利益追求のみの判断はいかがなものかと考えます。
 伐期を迎えている妙見山の官行造林地は、112ヘクタール余りあり、林業従事者にとっては大きな魅力であります。県の産業成長戦略には、林業の担い手の育成確保や林業事業体の経営の強化、海外への販売促進、低層非住宅への木造化の促進などもうたわれており、また、新たな販路拡大策として韓国への木材輸出にも力を入れていくこととなっております。
 韓国では、2030年ごろまで人口が増加すると予測されており、韓国の伝統的木造住宅を新韓屋プランと名づけて、韓国政府が後押ししているようであります。また、日本のヒノキは高級材として評価が高く、香りのよさも韓国人には好まれることから、日本のヒノキは大人気だと聞いております。
 安芸市まち・ひと・しごと創生総合戦略には原木生産量の増加もうたっており、市がみずから率先して林業を振興する意思を示すべきであります。伐期に来ている妙見山の官行造林は、択伐方法による伐採を進めるべきだと思いますが、最後に市長の見解をお伺いいたします。
○吉川孝勇議長  市長。
○横山幾夫市長  お答えいたします。
 議員御指摘のとおり、本市は森林率約89%でございますが、その本市にとりまして林業振興は重要な政策課題であるというふうに認識をしております。また、近年では協働の森活動に代表されますように、森林環境やその公的機能の保全向上への関心も急速に高まっております。
 こうした状況の中、契約満了を迎えた官行造林につきましては、先ほど農林課長が答弁いたしましたように、さまざまな課題がございます。また、国との契約延長から間もないことから、議員の御指摘も含めまして、今後、他自治体の動向等も踏まえて、適時適切な判断をしてまいりたいというふうに考えております。以上です。
○吉川孝勇議長  5番 徳久研二議員。
○5 番(徳久研二議員) 今回の質問は、官行造林ということに絞ってお伺いをしましたけれども、まだ県行造林、そして安芸市の市有林もあります。これから安芸市の森林を考えるときに、先ほど市長も言いましたように、森林率89%という山ばかりの市でありますし、これから林業従事者の雇用対策等も考えていかなければなりませんので、その辺、総合的に判断をした政策を進めていっていただきたいというふうに思います。
 以上で、私の一般質問を終わります。
○吉川孝勇議長  以上で、5番徳久研二議員の一般質問は終結いたしました。

添付ファイル1 一般質問 徳久研二 (PDFファイル 263KB)

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