移住者の声VOICE

湊 大樹さん

Interview 05

やっと持てた、
子どもと普通の会話ができる時間。

湊 大樹さん

移住歴 4年 年 齢 40歳代

幼少期から自分で考えて何かを作るのが好きだったという湊さん。IT会社で仕事をしていく中で、「たくましい人間になりたい」と思い(たくましい人間=一次産業)農業の道へ進むべく家族3人(妻と娘)で安芸市に移り住みました。

安芸市の施設園芸農業に魅了される

東京で生まれ育ち、大学院卒業後、IT会社で顧客の要望に対しサービスを提案する仕事をしていました。
仕事をしていくなかで「自分で考えて試行錯誤したい」「自分でお金を稼いで生きていきたい」「たくましい人間になりたい」という自分が大事にしたい軸に気付き、一次産業=たくましいというイメージから一次産業の情報収集をはじめました。
農業を選んだのは、自分の性格と合い、経済的な見通しが立つと思えたから「新・農業人フェア」や、「こうちアグリスクール」で情報収集、体験をするなかで施設園芸に魅了され、安芸市への移住を決意しました。

通ってよかった研修施設

安芸市に移住後は、四万十町にある高知県立農業担い手育成センターで1年研修し、その後さらに安芸市で農家研修を1年、現在は安芸市が新規就農者のために用意してくれているサポートハウスでナスを就農しています。
就農初心者は、自分と作物の相性や、自分がどのくらいの面積であれば就農できるのか、分からないことばかりです。見極める意味でも高知県立農業担い手育成センターで長期研修を受けてよかったと感じています。なにより、40歳をこえて利害関係ない人たちとワイワイすることってそうないじゃないですか!新鮮で面白かったですよ。

移住して変わった、子どもとの接し方

移住前は、平日子どもが起きている時間に帰宅することが少なく、週末に家族サービスのため遠出をするなど、頑張っていた感がありました。今は、子どもと一緒に晩ご飯を食べたり、テレビを見たり、ゲームをしたり、一緒にダラダラすることができています。子どもの機嫌が悪いなと思ったら機嫌が悪い理由を聞くなど、どこにでもあるような普通の会話ができるようになりました。
幸い、子どもは家族の誰よりも早く高知での生活に馴染みました。移住して1ヶ月くらいは本人も慣れない環境で緊張や不安もあったと思います。しかし、私たち夫婦が特別意識してサポートしなくても、保育園の先生や子どもたちなど周りの方のサポートのおかげで、馴染むことができました。そのおかげで、私も安心して研修に打ち込むことができました。

時間をかけて地域と付き合う

地方移住すると、消防団に入らないといけない、飲み会に誘われたら参加しないといけない、と思っている方が多いと思います。 実際に僕も、移住する前や移住してすぐの頃は「周りから愛想ないと思われそう」「地域にとけ込めるかな?」と不安でした。これで地域にとけ込めたという定義もないのに、自分で「地域にとけ込まないといけない」と勝手にプレッシャーをかけていたんだと思います。
最初は頑張って飲み会などに参加していましたが、僕はこういった付き合いが好きではないということに気付きました。行ける時は行って、行けない時は無理せず断るということをしているうちに、お互いにとっていい距離が保てるようになってきました。
最初は地域に馴染めなくて当たり前。自分の性格は簡単に変えられないし、合う人、合わない人もいます。無理せず時間をかけて地域の方と付き合うことをおすすめします。

稼げる農業を目指す

2021年6月までサポートハウスをお借りし、7月からは園芸用ハウス整備事業を活用して自分のハウスを建てる予定です。ハウスの建設に高額な費用がかかりますので金銭面の不安はあります。ただ農業は、やればやった分だけ結果として返ってきますので頑張れます。
農業をはじめる前は「いかに作物のことを理解して実をならすかが勝負」と思っていましたが、最近はそれだけではなく「作業を効率的に回していくことも大切」ということに気付きました。