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なす紹介

農林課 : 2009/08/05

本市は、園芸王国・高知県において、温暖な気候や長い日照時間そして地味肥沃な土壌を活かした生産性の高い「施設園芸の先駆けの地」として知られています。
 中でも、施設園芸の主要作物である「なす」は、約600戸の農家が174haを栽培し、日本一の冬春なすの生産地として、京浜地区を中心に全国の大消費地に出荷されています。
 

原産と来歴

 なすの学名は、Solanum melongena L.といい、なす科(Solanaceae)の植物で、トマト、トウガラシ、ジャガイモなどと同じ科に属します。
なすの原産地は、インドと推定されており、中国に4〜5世紀に、日本に7〜8世紀、ヨーロッパに13世紀頃伝わったと考えられています。
 日本におけるなすの栽培の最も古い記録として、東大寺正倉院文書に、「天平勝宝2年(750年)6月21日藍園茄子を進上したり」とあり、倭名類聚鈔923〜930年に和名を奈須比と記載されています。従って、わが国のなすの栽培は、1200年以上の年月が経っています。

なすの品種

なすは、日本への渡来も古いだけに、独自の品種に分化、発達してきました。なすの品種は、主に果色、形状、へたの色及び栽培期間の長短で区分されます。果色は、黒紫から白色まで、果実の形状は、大長、長、中長、卵、球があり、へたの色は、紫、緑があり、栽培期間は、極早生から晩々生までがあります。昭和10年頃までは、各地で在来品種が選抜・保存されその地方独特の品種が生まれました。高知は、普通なす、博多は、長なす、大阪の水なすなどがその代表的なものです。

安芸市をはじめ、県内で栽培されている主な種類は、以下のとおりです。
■普通なす
○土佐鷹
○竜 馬
ハウス促成栽培向けの代表的な品種。高知県ではこの品種がほとんどを占めています。極早生品種で果色は濃黒色、収量性が高くて品質もよく、小なすどり用としても利用できます。
○千 両
竜馬に比べるとやや首が太いハウス促成栽培向けの品種です。果皮が軟らかく品質は非常に優れていますが、高温期はやや成り疲れの傾向が見られます。

■米なす
欧米で改良された大型のなすを、我が国に適するよう改良を加えたものです。球〜卵形の大型のなすで、300g前後で収穫されます。へたの色は緑で果実の色は黒紫色ですが、果皮の着色に紫外線を必要としない特徴があります。果皮がしっかりしていて果肉には甘みがあるため、焼き物等のほか、洋風料理にもよく合います。
○くろわし
比較的早生の品種です。果皮色は濃黒紫色で光沢がよく、外観が優れ、肉質も緻密で煮物、焼き物に適しています。

■長なす
なすの果形に対する嗜好性には地域性があります。一般に果長は20〜25cm(100〜200g)で収穫され、用途が広く、焼きなすなどにもよく利用されています。
○黒 陽
極早生で、へた、果皮色ともに濃黒紫色で果皮が薄く、石なすやボケ果の発生も少ない優れた品種です。従来の長なす品種は中〜晩生で果皮色も黒紫〜赤紫色のため、「竜馬」や「千両」などの普通なすに比べてやや見劣りしていましたが、この品種の登場によって長なすに対する評価が一変したといわれています。

■小なす
高知県には、丸煮や天ぷらなど料亭の業務用向けに、古くから果重30g程度のなすを収穫する栽培があります。これを小なす栽培といいます。
○十 市(とおち)
南国市十市に伝わる在来の品種です。果実は短卵形で揃いがよく、黒紫色で光沢があります。果皮が硬いので輸送性に優れ、小なす栽培では現在も主流の品種です。

成分

 90%以上が水分で、残り10%弱が糖質です。注目すべきは、低カロリーであることと、皮に含まれる抗酸化成分です。アントシアニン系の色素「ナスニン」が多量に含まれており、動脈硬化予防、ガン抑制作用、眼精疲労に有効であるといわれています。また、特有のアルカロイドやフェノールを含んでいるため歯痛、口内炎にも効くといわれています。さらに、あくの成分として含まれているクロロゲン酸には、身体を冷やす効果があります。
 90%以上が水分ですが、果肉がスポンジ状のため、油やダシと相性がよく、炒め物や煮物に最適です。ヌカ漬けにしても、半日で水分が90%以下になり、栄養が増して美味しくいただけます。


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