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生物多様性の保全 / 自然共生サイト認定

農林課 : 2024/05/01

安芸市別役地域にある三菱商事株式会社の社有林143haと安芸市の市有林69haが、「三菱商事 千年の森(通称:彌太郎の森)」として環境省の自然共生サイトに認定されました。

この「自然共生サイト」とは、ネイチャーポジティブ(2030年までに生物多様性の現在の損失を止め、回復軌道に乗せるという国際的な取り組み)の実現に向けて、「民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域」を国が認定する仕組みのことです。
この度、認定された「彌太郎の森」は、環境先進企業である三菱商事株式会社と安芸市、高知県、高知東部森林組合が協働して取り組む「協働の森づくり」により整備が進められている森林です。

この「彌太郎の森」は、保全すべき自然環境や優れた自然条件を有している地域に対して、外部との相互影響を軽減するための機能(緩衝機能)や連続性・連結性を高める機能を有
する場であることが評価されたことにより自然共生サイトに認定されました。
「彌太郎の森」は、四国にある剣山を中心とした東西、南方面にのびる国有林野をつなぐ延長約58km、幅約2kmの回廊状のエリア(「四国山地緑の回廊」)に連結していて、地域的に孤立している個体群で特にその規模が極めて小さく絶滅の恐れがあるツキノワグマなどの希少な野生生物の移動経路として機能しています。

認定を受けたサイトでは、今後も引き続き森林保全・生物多様性保全に配慮した維持管理を行い、伊尾木川源流域における水源涵養等、森林が持つ多面的機能の増進のほか、多様な野生生物の移動経路の確保等に引き続き努めていきます。また、適切な維持管理及びモニタリングを実施し、自然共生サイトの優良事例となることを目指していきます。


令和6年3月28日に認定証授与式が行われました。
令和6年3月28日に認定証授与式が行われました


自然共生サイトに認定された三菱商事株式会社の社有林
自然共生サイトに認定された三菱商事株式会社の社有林


自然共生サイトに認定された市有林(天然のブナ林)
自然共生サイトに認定された市有林(天然のブナ林)


■自然共生サイトとは
生物多様性の現在の損失を止め、回復軌道に乗せることを目指す「ネイチャーポジティブ」の実現に向け、日本は、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全する目標(30by30目標)を掲げています。その実現に向けた取り組みの1つとして、企業の森や里地里山、都市の緑地など「民間の取り組み等によって生物多様性の保全が図られている区域」を環境省が自然共生サイトとして認定する仕組みが令和5年度から開始され、令和5年度前期に122カ所、後期に62カ所が認定されています。
高知県では、「三菱商事 千年の森(通称:彌太郎の森)」に加え、「王子の森/木屋ヶ内山林」(前期認定:高岡郡四万十町)、「四万十市トンボ自然公園(通称:トンボ王国)」(後期認定:四万十市)の3サイトが認定されました。

■「三菱商事 千年の森」の概要
2009年(平成21年)に三菱商事株式会社と安芸市、高知県、高知東部森林組合の4者で「協働の森パートナーズ協定」を締結して以来、安芸市内の協定森林計263haにおいて、森林整備や企業社員による森林保全ボランティア活動等を実施してきました。
また、2020年(令和2年)には、協定森林のうち今回の自然共生サイト認定地である212haについて、四国森林管理局が取り組む「四国山地緑の回廊」との連携協定を締結していて、国有林、社有林、市有林が連携することで、剣山周辺の保護林同士の連結性を高め、野生生物の移動経路の確保に取り組むこととしています。





この取り組みは、安芸市流域森づくり構想のアクションプランに基づく活動です
・No.8「生物多様性の保全」

安芸市流域森づくり構想






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